ポワロもミス・マープルも登場しない。
10人の脛に傷を持つ人々が、ある島に集められる。
そして、次々に殺されていく。
不思議なことに、最後に残った1人も死んでしまう。(一応自殺なのだが……)
真相は、犯人によって流されたビンの中の手紙により明らかになる。
よく練られたストーリーだ。
ミステリーを書いてみればわかるが、10人の人間をそれぞれ別の方法で殺害するという構築をするだけでも結構骨が折れる。
それらを有機的に連動させて、1本のストーリーに納めるのは大変な作業であり、大変な労力なのだ。
はっきり言って、クリスティの作品に文学的価値はまったくない。
殺人や、探偵など非日常の世界だからだ。だから、クリスティも日常生活の描写に平気で手を抜く。
そんなことはどうでも良いのだ。読者は、探偵趣味を望んでいるのだから。
この作品は、クリスティの中でも評価が高い。推理ドラマとしてのクォリティは非常に高い。
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