山本弘氏は、本当にSFが好きである。好きで好きで愛してやまないようだ。
だからSF作家になっている。
山本氏は説く。
SFは壮大なうそ話だと。その通りだと思う。
そのうそをいかにうそと思わせないに苦心するかというのがSFの真骨頂である。
私も、SFが好きだ。たくさんSFは読んだ。少し山本氏とは系統が違うような気がしているが……
今は、SFは売れない時代らしい。確かに大上段に構えたハードSFは売れないのだろう。
しかし、いろいろな分野で要素としてのSFが活躍しているという。
SFに明確な定義はない、と説く。
『センス・オブ・ワンダー』があれば、SFだ、。ワンダーとは面白いデタラメだ。
山本氏は、SFをこの本の中で時代を追って、紹介してくれる。
ジューヌ・ベルヌの『月世界旅行』。懐かしいですね。ジューヌ・ベルヌとHG・ウェルズはSFの黎明期に活躍した作家たちです。まだ、19世紀後半1800年代にこんなもんを書いていたんですよ。
私が、小学校高学年だったころ、学校図書館で借りて、夢中になって読んでいたもんです。
どんな話かって? 大砲の会社の幹部たちが南北戦争で要らなくなった大砲を何とかしようと会議をして、超巨大な大砲と砲弾をつくり、それを月に向かって打ち上げようとする話です。
ロケットが、砲弾に変わっただけで、現代のアポロ計画とあまり変わらない発想を持っていたようですね。19世紀における大ボラ吹き。
SFの基本は大真面目な大うそです。それを実感させる。面白い。
『フェッセンデンの宇宙』。エドモント・ハミルトン。
科学者が実験室で創造した宇宙を興味本位で殺伐を繰り返す。
昭和10年代のスペースオペラの時代。
『火星ノンストップ』。ジャック・ウィリアムソン
異星人が攻めて来て火星をテラフォーミングしようとし、地球の空気を奪おうとしている。
そのため、地球と火星は、空気の層(トンネル)で結ばれていた。
そこを、冒険家のヒコーキ野郎がプロペラ機で火星を目指すという話。
あ~、大ボラ。
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