2012年3月16日金曜日

アクロイド殺害事件 アガサ・クリスティ


初めて読んだのは、高校生の時かな。
犯人は最初からわかっていた。
読書は筋を読むだけではないということを
つくづく感じさせる推理小説である。
いろいろと張り巡らされた筋立て、容疑者
達の心理状態まで見極めるエルキュール・ポワロ
の灰色の脳細胞。

ところで犯人は、この物語を記述した医者である。
書いた本人が犯人なのだから、これはトリックとして
成立しない。
という批判があちこちで起こった。
今に至るまでも、推理小説の正当なのかという議論が起こる。
しかし、クリスティ女史はいたるところで読者に示唆を与えて
いる。
推理小説に詳しい人は、この医者が怪しいと考えるだろう。
それでも、記述者が犯人であろうはずがない。
という固定観念を破れないのだ。

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